鼻炎

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鼻炎とは?

 鼻炎(びえん)とは鼻腔内(鼻の穴)の粘膜に炎症が起こった状態のことをいいます。犬や猫の鼻炎は、細菌、ウイルス、真菌(カビ)など感染症によるもの、アレルギーや鼻腔内の腫瘍によるもの、また、異物の吸引や口腔内の疾患に続発して発生するものなど様々な原因があります。
 犬では特発性鼻炎という原因不明の鼻炎があり、鼻の長い中型犬から大型犬や特にダックスフンドに多いとされています。

鼻炎の原因

 仔犬や仔猫では鼻炎を起こす原因は感染症によるものが多く、細菌、ウイルス(犬ジステンパーウイルス感染症ケンネルコッフ猫ウイルス性呼吸器感染症<猫ヘルペスウイルス感染症猫カリシウイルス感染症>)、真菌(アスペルギルスやペニシリウム)の鼻腔内の感染によって発症します。
 他には、ヒトと同様に花粉やハウスダスト、イエダニ等によるアレルギー性鼻炎や刺激性の薬品やタバコ、異物の吸引によっても鼻炎を起こすことがもあります。また、歯周病などで歯根に炎症がおこり、その炎症が鼻まで波及する場合や、口蓋裂など口腔内の疾患に起因する場合などもありますし、高齢(8-9歳以上)では鼻腔内に腫瘍(鼻内癌,扁平上皮癌,軟骨肉腫,線維肉腫など)が発生して、鼻炎が起こることもあります。

鼻炎の症状

 主な症状は、くしゃみや鼻汁です。その他、逆くしゃみ、眼脂(目やに)、流涙なども見られます。重篤になると、発熱、鼻づまりの症状や粘液性の膿のような鼻汁がみられ、血液が混ざることもあり、時にはいびきや鼻で呼吸することが難しくなり、口をあけて呼吸したり、異常な呼吸音がするなども見られます。また、特に猫は匂いを嗅いで食事をする性質があるため、鼻が詰まると食欲不振になりやすいので注意が必要です。
 鼻炎が進行すると、副鼻腔炎(ふくびくうえん)も起こり、こうなるとなかなか完治は難しくなります。

鼻炎の診断/検査

 通常、視診や問診により診断しますが、疑われる原因により、細菌培養、ウイルス検査、真菌培養、レントゲン検査超音波検査、CTやMRI検査、細胞診検査などが必要になります。
 発熱や食欲不振などの全身症状がある場合は、血液検査血液化学検査尿検査なども必要になります。
 また、猫では、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)猫白血病ウイルス感染症に感染していると鼻炎が重篤化することがありますので、治療効果があまり見られないようであればこれらの検査も行ったほうがよいでしょう。

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この記事を書いた人

福山達也