※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
ボツリヌス中毒とは?
ボツリヌス中毒は、ボツリヌス菌が産生する神経毒が原因となって発症する中毒です。
なぜか猫でのボツリヌス中毒の報告はありません。猫は用心深いから?
ボツリヌス中毒の原因
原因はクロストリジウム属の細菌であるボツリヌス菌(Clostridium botulinum)です。語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)からきていて、19世紀のヨーロッパでソーセージやハムを食べた人に起こる食中毒の原因であったためこの名がついたとされています。ボツリヌス菌は傷んだ食品や腐敗した生ゴミなどに存在しています。
ボツリヌス中毒の症状
ボツリヌス菌の毒素を含む食物を食べた後、数時間(2〜3時間)から数日以内(遅くとも6日以内)に、麻痺症状が後肢から頭部に向かってだんだんと広がっていきます。軽度の神経症状は、ほとんどが自然に回復しますが、重篤な場合は、薬を投与して麻痺の進行を抑えても、神経障害を回復させることはできないとされています。
ボツリヌス中毒の診断/検査
一般に問診かた推測して診断するしかないかと思います。確定診断をするには、食べたとと思われる食物などからボッリヌス菌を分離同定します。
ボツリヌス中毒の治療
一般に麻痺に対する対症療法や輸液などを行うことになります。可能であれば抗毒素を投与する方法も考えられますが、一般の動物病院では難しと思われます。
ボツリヌス中毒の予防
原因であるボツリヌス菌は一般に生ゴミなど腐ったものを食べることによって発症します。ですから、散歩の途中や家庭でゴミ箱や落ちているものをあさらないよう、拾い食いをしないようにしつけをしておくことは、予防になると思われます。
ボツリヌス中毒の看護/その他
神経障害で排尿や排便ができない場合は介護が必要です。また、寝たきりの場合は床ずれができないようにケアーをする必要があります。
アボガド
pets
動物医療保険をお持ちの方は診察前に保険証を提示してください!
library_books
参考文献・資料等
<1>足根関節の拘縮を整復するために部分的関節固定術およびボツリヌス毒素Aを注入した猫の1例
<2>動物、及び人間に対する生物テロリズム:その行為に対する短い評論、及び文献