虚弱とは?
虚弱とは、愛犬・愛猫の力が入りにくい、動きが鈍い、立ち上がりにくい、歩きたがらない、いつもの散歩を続けられない、ぐったりしているように見える状態を指します。
虚弱は急に起こることもあれば、少しずつ進行することもあります。また、常に続く場合と、発作のように一時的に起こる場合があります。ペットオーナーからは「元気がない」「だるそう」「動きが遅い」「立てない」「倒れた」などと表現されることがあります。
実際の筋力低下だけでなく、痛み、跛行、失明、呼吸苦、心臓病、貧血、低血糖などが原因で、虚弱に見えることもあります。
虚弱の原因
虚弱の原因は非常に幅広く、血液、代謝、電解質、循環、内分泌、心臓、呼吸器、神経、整形外科、毒物、栄養状態など、さまざまな異常が関係します。
代表的な原因には、貧血、出血、脱水、ショック、低血糖、高窒素血症、肝性脳症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、心不全、不整脈、肺疾患、低酸素、糖尿病、甲状腺疾患、副腎疾患、神経筋疾患、重症筋無力症、脊髄疾患、関節炎、骨折、筋肉疾患、感染症、炎症、腫瘍、中毒、薬剤の副作用などがあります。
また、重度の肥満、栄養不良、サルコペニア、高齢、妊娠後期、子宮蓄膿症、麻酔後や鎮静後の状態でも虚弱がみられることがあります。
虚弱の症状
虚弱では、立ち上がりにくい、歩くのが遅い、ふらつく、階段や段差を嫌がる、散歩の途中で止まる、ジャンプできない、横になっている時間が増える、呼びかけへの反応が鈍い、倒れる、力が抜けたようになるなどがみられます。
原因によっては、歯ぐきが白い、呼吸が速い、咳をする、舌や歯ぐきが紫色になる、嘔吐、下痢、食欲低下、多飲多尿、発作、震え、硬直、痛み、跛行、腹部膨満、発熱、体温低下などを伴います。
特に、急に立てなくなった、倒れた、呼吸が苦しそう、歯ぐきが白いまたは紫色、意識がぼんやりしている、痙攣発作がある、強い痛みがある、ぐったりして反応が悪い場合は、早急な診察が必要です。
虚弱の診断/検査
診断では、まず虚弱がいつ始まったのか、急に起こったのか、徐々に進行したのか、持続しているのか、発作的に起こるのかを確認します。発作的に起こる場合は、発作中に体がぐったりするのか、硬直するのか、意識があるのか、どのくらいで回復するのかが重要です。
病歴として、食欲、飲水量、排尿、排便、嘔吐、下痢、咳、呼吸状態、運動量、服用中の薬、サプリメント、ワクチン歴、毒物や人用薬への接触の可能性、同居動物の健康状態などを確認します。発作やふらつきの様子を動画で記録できる場合は、診断に非常に役立ちます。
身体検査では、体温、心拍、呼吸、粘膜の色、毛細血管再充満時間、脱水、脈拍、心音、肺音、腹部、痛み、歩行、神経反応、関節や筋肉の状態を確認します。真の筋力低下なのか、痛みや跛行による見かけ上の虚弱なのかを区別することも大切です。
検査としては、血液検査、血液化学検査、尿検査を基本に行います。必要に応じて、電解質検査、血糖値、甲状腺ホルモン検査、副腎機能検査、心電図、血圧測定、レントゲン検査、超音波検査、心臓超音波検査、神経学的検査、整形外科検査、眼底検査、中毒関連検査などを行います。
虚弱の治療
治療は原因によって異なります。
貧血や出血が原因であれば、出血源の確認、止血、輸液、輸血などが必要になることがあります。脱水やショックでは、点滴や循環管理を行います。低血糖や電解質異常では、血糖値や電解質を補正します。
心疾患や呼吸器疾患では、酸素投与、利尿薬、心臓薬、抗不整脈薬などを使用することがあります。内分泌疾患では、甲状腺、副腎、糖尿病など原因に応じた治療を行います。神経疾患や整形外科疾患では、痛みの管理、安静、内科治療、手術、リハビリテーションなどを検討します。
中毒が疑われる場合は、原因物質の特定と早期処置が重要です。人用薬、キシリトール、アルコール、不凍液、農薬、殺虫剤、植物などを摂取した可能性がある場合は、すぐに当院へご連絡ください。
虚弱の予防
虚弱のすべてを予防することはできませんが、定期的な健康診断、血液検査、尿検査、体重管理、予防医療により、病気の早期発見につなげることができます。
高齢の愛犬・愛猫では、貧血、腎臓病、心臓病、内分泌疾患、関節疾患、筋肉量の低下などが隠れていることがあります。定期的に体重、筋肉量、歩き方、食欲、飲水量、排尿量を確認しましょう。
人用薬、サプリメント、チョコレート、キシリトール、アルコール、不凍液、農薬、殺虫剤などは、犬猫が届かない場所に保管してください。薬は自己判断で中止・増量せず、必ず獣医師の指示に従ってください。
虚弱の看護/その他
ご自宅では、無理に歩かせたり、階段を上らせたりせず、静かで安全な場所で休ませてください。ふらつきがある場合は、転倒や落下を防ぐため、段差や滑りやすい床に注意してください。
観察するポイントは、元気、食欲、飲水量、排尿、排便、呼吸、歩行、痛み、意識状態、歯ぐきの色です。発作的な虚弱がある場合は、発生時刻、持続時間、回復までの時間、食事との関係、運動との関係を記録してください。動画が撮れる場合は、診察時にお見せください。
急に立てない、倒れる、呼吸が苦しい、歯ぐきが白いまたは紫色、痙攣発作、強い痛み、意識がぼんやりしている場合は、様子を見ずに早急に受診してください。
虚弱は、軽い疲れのように見えることもありますが、貧血、心疾患、低血糖、神経疾患、中毒など命に関わる病気のサインであることもあります。「年のせい」「少し疲れただけ」と決めつけず、気になる変化があれば早めに動物病院へご相談ください。
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