鼻炎

鼻炎の治療

 鼻炎の原因を正しく診断し、治療する必要があり、治療法は原因により様々まです。消炎剤や細菌なら抗生物質、ウイルスなら抗ウイルス剤、真菌なら抗真菌剤が用いられます。また、通常の注射や飲み薬などだけでなく、ネブライザーといって薬剤を霧状にして投与する治療が行われることもあります。もちろん、異物なら取り除いたり、歯周病であれば抜歯や化膿を治療します。腫瘍の場合は、種類や場所、大きさにより、外科手術や抗がん剤、放射線治療などが選択されます。
 症状が軽ければ数日で改善が見られますが、原因によっては慢性化してしまい、改善まで長い時間がかかったり、一生付きあつていかなければならないものもあります。そうなると治療ということではなく、生活の質(QOL)を向上させるために、定期的に鼻を拭いてあげたり、鼻の通りをよくしてあげたりということになります。

鼻炎の予防

 犬ジステンパーウイルス感染症ケンネルコッフ猫ウイルス性呼吸器感染症<猫ヘルペスウイルス感染症猫カリシウイルス感染症>は感染症予防のためのワクチンを定期的に接種しましょう特に猫では若齢期にワクチンを接種せず猫ヘルペスウイルスに感染すると慢性鼻炎となることが多いとされていますので、生後2ヶ月程度になったらきちんとワクチンプログラムにより予防することが大切です。
 口腔内の歯周病などの炎症を予防するためには歯磨きなどのデンタルケアが効果的ですので、仔犬仔猫の時期から歯磨きの習慣をつけましょう。

鼻炎の看護/その他

 鼻水、くしゃみなど鼻炎の症状がみられたら慢性化する前に早めの当院にご相談ください。特に冬場は、感染症予防のために、寒さや乾燥した環境(湿度の管理)にも注意が必要です。
 感染源にもよりますが、多くは鼻汁などを介して他の犬猫から感染します。予防注射未接種でも受け入れているペットホテル、ペット美容室の利用を避けることはもちろん、ペットショップ、犬舎、ドッグラン、イベント、動物病院など多くの犬や猫が集まる環境やストレスの高い環境で感染しやすいので注意しましよう。
 高齢で慢性的に続く鼻炎は特に腫瘍の可能性もありますので、詳しい検査が必要です。

pets
動物医療保険をお持ちの方は診察前に保険証を提示してください!

library_books
参考文献・資料等
  1. 猫の臨床Part1; 268-269:鼻炎
  2. 犬の内科診療Part1; 138-143:鼻炎
  3. 犬と猫の日常診療のための抗菌薬治療ハンドブック;91-106:呼吸器感染症


<1>炎症性鼻疾患に罹患した犬におけるMRIの診断的価値
<2>猫の両側性の眼窩および鼻腔のアスペルギルス症
<3>鼻腔内アスペルギルス症に罹患しエニルコナゾール鼻腔内潅流で治療した犬における長期的予後
<4>猫の慢性鼻炎治療に対する新しい免疫療法の評価
<5>エニルコナゾール潅流およびイトラコナゾール経口投与を併用した鼻切開術による犬の鼻腔内アスペルギルス症の外科的治療
<6>犬の鼻腔内アスペルギルス症に対するクロトリマゾール洗浄および充填併用治療
<7>猫のウィルス性疾患に対する新しい治療法の理解と発見
<8>真菌性鼻炎の猫4頭
<9>犬のScedosporium apispermumの鼻腔感染
<10>猫22頭の非特異的な鼻炎に関する回顧的研究および鼻腔細胞診および組織病理学の価値
<11>日本杉花粉(Cryptomeria japonica)に感作された猫における季節性鼻炎
<12>犬の特発性鼻炎のコントロールに対する鼻腔内炎症性疾患の重篤度に関するアンケート:手段の開発および初期の妥当性所見
<13>内側咽頭後リンパ節と鼻道のコンピュータ断層撮影上の特徴を組合せると猫の鼻炎と腫瘍の区別を助ける
<14>慎重なデブリードマンと1%クロトリマゾールクリームによる犬の真菌性鼻炎-副鼻腔炎の局所治療:64症例(2007年から2014年まで) 
<15>臨床における病理学 関連する化膿性鼻炎と表皮潰瘍および右腎のリンパ腫を伴う、鼻腔の非上皮向性B細胞リンパ腫
<16>猫の真菌性鼻炎および副鼻腔炎のCT所見
<17>臨床における病理学 クリプトコッカス属菌に一致する病変内の酵母菌を認めた、重度で慢性化した多巣性から集簇化した肉芽腫性髄膜脳脊髄炎、鼻炎および副鼻腔炎
<18>犬の自然感染したリーシュマニア症(リーシュマニア・インファンタム)による鼻出血発症に関連する因子
<19>画像診断――犬の後鼻孔閉鎖
<20>犬の鼻部および鼻咽頭部に発生したブラストミセス症の診断と治療
<21>

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

鼻炎とは?

 鼻炎(びえん)とは鼻腔内(鼻の穴)の粘膜に炎症が起こった状態のことをいいます。犬や猫の鼻炎は、細菌、ウイルス、真菌(カビ)など感染症によるもの、アレルギーや鼻腔内の腫瘍によるもの、また、異物の吸引や口腔内の疾患に続発して発生するものなど様々な原因があります。
 犬では特発性鼻炎という原因不明の鼻炎があり、鼻の長い中型犬から大型犬や特にダックスフンドに多いとされています。

鼻炎の原因

 仔犬や仔猫では鼻炎を起こす原因は感染症によるものが多く、細菌、ウイルス(犬ジステンパーウイルス感染症ケンネルコッフ猫ウイルス性呼吸器感染症<猫ヘルペスウイルス感染症猫カリシウイルス感染症>)、真菌(アスペルギルスやペニシリウム)の鼻腔内の感染によって発症します。
 他には、ヒトと同様に花粉やハウスダスト、イエダニ等によるアレルギー性鼻炎や刺激性の薬品やタバコ、異物の吸引によっても鼻炎を起こすことがもあります。また、歯周病などで歯根に炎症がおこり、その炎症が鼻まで波及する場合や、口蓋裂など口腔内の疾患に起因する場合などもありますし、高齢(8-9歳以上)では鼻腔内に腫瘍(鼻内癌,扁平上皮癌,軟骨肉腫,線維肉腫など)が発生して、鼻炎が起こることもあります。

鼻炎の症状

 主な症状は、くしゃみや鼻汁です。その他、逆くしゃみ、眼脂(目やに)、流涙なども見られます。重篤になると、発熱、鼻づまりの症状や粘液性の膿のような鼻汁がみられ、血液が混ざることもあり、時にはいびきや鼻で呼吸することが難しくなり、口をあけて呼吸したり、異常な呼吸音がするなども見られます。また、特に猫は匂いを嗅いで食事をする性質があるため、鼻が詰まると食欲不振になりやすいので注意が必要です。
 鼻炎が進行すると、副鼻腔炎(ふくびくうえん)も起こり、こうなるとなかなか完治は難しくなります。

鼻炎の診断/検査

 通常、視診や問診により診断しますが、疑われる原因により、細菌培養、ウイルス検査、真菌培養、レントゲン検査超音波検査、CTやMRI検査、細胞診検査などが必要になります。
 発熱や食欲不振などの全身症状がある場合は、血液検査血液化学検査尿検査なども必要になります。
 また、猫では、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)猫白血病ウイルス感染症に感染していると鼻炎が重篤化することがありますので、治療効果があまり見られないようであればこれらの検査も行ったほうがよいでしょう。

鼻炎の治療

 鼻炎の原因を正しく診断し、治療する必要があり、治療法は原因により様々まです。消炎剤や細菌なら抗生物質、ウイルスなら抗ウイルス剤、真菌なら抗真菌剤が用いられます。また、通常の注射や飲み薬などだけでなく、ネブライザーといって薬剤を霧状にして投与する治療が行われることもあります。もちろん、異物なら取り除いたり、歯周病であれば抜歯や化膿を治療します。腫瘍の場合は、種類や場所、大きさにより、外科手術や抗がん剤、放射線治療などが選択されます。
 症状が軽ければ数日で改善が見られますが、原因によっては慢性化してしまい、改善まで長い時間がかかったり、一生付きあつていかなければならないものもあります。

鼻炎の予防

 犬ジステンパーウイルス感染症ケンネルコッフ猫ウイルス性呼吸器感染症<猫ヘルペスウイルス感染症猫カリシウイルス感染症>は感染症予防のためのワクチンを定期的に接種しましょう。特に猫では若齢期にワクチンを接種せず猫ヘルペスウイルスに感染すると慢性鼻炎となることが多いとされていますので、生後2ヶ月程度になったらきちんとワクチンプログラムにより予防することが大切です。
 口腔内の歯周病などの炎症を予防するためには歯磨きなどのデンタルケアが効果的ですので、仔犬仔猫の時期から歯磨きの習慣をつけましょう。

鼻炎の看護/その他

 鼻水、くしゃみなど鼻炎の症状がみられたら慢性化する前に早めの当院にご相談ください。特に冬場は、感染症予防のために、寒さや乾燥した環境(湿度の管理)にも注意が必要です。
 感染源にもよりますが、多くは鼻汁などを介して他の犬猫から感染します。予防注射未接種でも受け入れているペットホテル、ペット美容室の利用を避けることはもちろん、ペットショップ、犬舎、ドッグラン、イベント、動物病院など多くの犬や猫が集まる環境やストレスの高い環境で感染しやすいので注意しましよう。
 高齢で慢性的に続く鼻炎は特に腫瘍の可能性もありますので、詳しい検査が必要です。

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参考文献・資料等
  1. 猫の臨床Part1; 268-269:鼻炎
  2. 犬の内科診療Part1; 138-143:鼻炎


<1>炎症性鼻疾患に罹患した犬におけるMRIの診断的価値
<2>猫の両側性の眼窩および鼻腔のアスペルギルス症
<3>鼻腔内アスペルギルス症に罹患しエニルコナゾール鼻腔内潅流で治療した犬における長期的予後
<4>猫の慢性鼻炎治療に対する新しい免疫療法の評価
<5>エニルコナゾール潅流およびイトラコナゾール経口投与を併用した鼻切開術による犬の鼻腔内アスペルギルス症の外科的治療
<6>犬の鼻腔内アスペルギルス症に対するクロトリマゾール洗浄および充填併用治療
<7>猫のウィルス性疾患に対する新しい治療法の理解と発見
<8>真菌性鼻炎の猫4頭
<9>犬のScedosporium apispermumの鼻腔感染
<10>猫22頭の非特異的な鼻炎に関する回顧的研究および鼻腔細胞診および組織病理学の価値
<11>日本杉花粉(Cryptomeria japonica)に感作された猫における季節性鼻炎
<12>犬の特発性鼻炎のコントロールに対する鼻腔内炎症性疾患の重篤度に関するアンケート:手段の開発および初期の妥当性所見
<13>内側咽頭後リンパ節と鼻道のコンピュータ断層撮影上の特徴を組合せると猫の鼻炎と腫瘍の区別を助ける
<14>慎重なデブリードマンと1%クロトリマゾールクリームによる犬の真菌性鼻炎-副鼻腔炎の局所治療:64症例(2007年から2014年まで) 
<15>臨床における病理学 関連する化膿性鼻炎と表皮潰瘍および右腎のリンパ腫を伴う、鼻腔の非上皮向性B細胞リンパ腫
<16>猫の真菌性鼻炎および副鼻腔炎のCT所見
<17>臨床における病理学 クリプトコッカス属菌に一致する病変内の酵母菌を認めた、重度で慢性化した多巣性から集簇化した肉芽腫性髄膜脳脊髄炎、鼻炎および副鼻腔炎
<18>犬の自然感染したリーシュマニア症(リーシュマニア・インファンタム)による鼻出血発症に関連する因子
<19>画像診断――犬の後鼻孔閉鎖
<20>犬の鼻部および鼻咽頭部に発生したブラストミセス症の診断と治療
<21>犬において、バルトネラ感染の血清学的あるいは分子学的所見と特発性鼻炎との関連性の確認における失宜
<22>鼻腔疾患に罹患している犬における磁気共鳴画像検査所見と組織学的診断との関連:78症例(2001~2004年)
<23>犬の鼻出血の発生率、臨床的特徴、および原因:176症例(1996~2001年) 
<24>犬における鼻腔内アスペルギルス症診断のための寒天ゲル免疫拡散法による血清学的評価と組織の真菌培養法との比較 
<25>猫の鼻中隔と副鼻腔における解剖的および病理学的変化のCT(コンピューター断層撮影)による評価
<26>副鼻腔疾患の猫における臨床的特徴、CT検査上の特徴、および組織学的診断の関連性
<27>特発性リンパ球プラズマ細胞性鼻炎の犬の鼻腔組織における微生物の分子的検出
<28>アスペルギルス症の犬における鼻鏡検査単独あるいは副鼻腔鏡検査を併用した結果:46症例(2001-2004) 
<29>鼻腔内腫瘍の犬に対する加速放射線のみの治療と、加速放射線後の鼻腔内容除去術による治療による結果の比較:53例(1990-2002)
<30>犬の特発性リンパ球プラズマ細胞性鼻炎:37例(1997-2002) 
<31>アイリッシュ・ウルフハウンドにおける鼻炎・気管支肺炎症候群
<32>犬の慢性鼻疾患におけるCT検査の診断的価値
<33>猫3頭の真菌性鼻炎と副鼻腔炎 
<34>猫62頭の副鼻腔疾患におけるCT画像の回顧的評価

この記事を書いた人

福山達也