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蛋白喪失性腸症とは?
蛋白喪失性腸症(たんぱくそうしつせいちょうしょう)は、蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)とも言われ、その英語の頭文字をとってPLEとも呼ばれます。腸から多量の蛋白が漏れ出てしまう病気です。それによって、血液中のタンパク質が少なくなり、低蛋白血症を起こします。
蛋白喪失性腸症は、厳密には特定の病名を指すわけではなく、さまざまな消化管(慢性下痢など)の疾患から引き起こされる状態を言います。
性別や年齢を問わず発症し、犬に多く見られ、猫では稀な病気です。特に多くもいられる犬種は、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア、ロットワイラー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、シャー・ペイ、プードルなどに多く見られるという報告があります。猫では稀な病気(病態)です。
蛋白喪失性腸症の原因
蛋白漏出性腸症の原因としては、腸管の炎症、潰瘍、リンパ腫や腸リンパ管拡張症、リンパ球性—形質細胞性腸炎、炎症性腸疾患(IBD)などの慢性の炎症性腸疾患、消化管リンパ腫、感染症、寄生虫など様々なものが原因となります。
蛋白喪失性腸症の症状
腸管の粘膜からタンパクが漏出してしまうため、低蛋白血症が起こり、そのためにさまざまな症状がみられます。主な症状として慢性的な下痢や軟便ですが、これらの消化器症状が見られないこともあり、唯一の症状が体重減少だけということもあります。その他栄養が十分吸収されないため、元気消失、食欲不振、嘔吐、脱水がみられます。また、低蛋白血症のために血液中に水分を保持する力が低下し、浮腫や腹水、胸水、呼吸困難、血栓症などを起こすこともあり、重篤な場合死に至ります。
蛋白喪失性腸症の診断/検査
一般に、身体検査、問診、血液検査、血液化学検査、尿検査、糞便検査を行います。また、血液中のコバラミン濃度や葉酸の濃度の測定を行うこともありますし、確定診断を行うためには腸管の一部を切り取って病理組織検査を行う生検が必要になります。
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