※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
変性性脊髄症(DM)とは?
一般に、ジャーマン・シェパードで発生が多いことで知られていますが、シベリアン・ハスキー、チェサピークベイ・レトリバー、ボクサーなど他の犬種でも多く報告されていて、近年、ウェルシュ・コーギーでも発生頻度が増加していることが分かっています。
変性性脊髄症(DM)の原因
変性性脊髄症(DM)の症状
症状は1年から3年ほどで徐々に進行していきます。その後、次第に前肢へと症状が進行して、起立困難や排便・排尿が困難になることがあります。最終的に脳にまで病気が進行すると呼吸障害を呈し、死に至ります。
変性性脊髄症(DM)の診断/検査
診断において重要になるのは、犬種と疼痛を伴わない慢性進行性の両後肢不全麻痺という特徴的な症状です。これらが見られた場合、血液検査、血液化学検査、尿検査、レントゲン検査(脊髄造影検査が行われることもあります)やCT、MRI検査などで他の病気を否定します。
変性性脊髄症(DM)の治療
椎間板ヘルニアや他の神経疾患では、運動をさせることでかえって症状を悪化させてしまう場合がありますが、変性性脊髄症では、「動ける状態には、運動させること(リハビリ)」が推奨されています。また、抗酸化作用を持つビタミン剤やサプリメント(ニューロアクトなど)も補助的な効果が期待されています。ニューロアクトは当院でもお取り寄せ致しますので、ご希望の方は受付にお申し出ください。
変性性脊髄症(DM)の予防
他の疾患でも類似した症状が見られる場合があることから、歩き方の異常など疑わしい症状に気がついたら早めに動物病院を受診しましょう。また、適切な体重管理や適度な運動をすることも大切です。
変性性脊髄症(DM)の看護/その他
また、リハビリ(理学療法)も重要です。ある報告では、積極的にリハビリを行った犬の平均生存日数が、255日なのに対して、中程度に受けた犬で、130日、全くリハビリを受けなかった場合は55日と大きく差があります[2]。ですので、変性性脊椎症は積極的に運動をしたほうが良いとされています。但し、リハビリを行う場合は、CCRPなどきちんとした専門資格を持つ獣医師や愛玩動物看護師、PTの指導を受けて行いましょう。
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参考文献・資料等
- Averill, D. R., Jr. 1973. Degenerative myelopathy in the aging German Shepherd dog: clinical and pathologic findings. J Am Vet Med Assoc. 162: 1045-1051.
- Daily Controlled Physiotherapy Increases Survival Time in Dogs with Suspected Degenerative Myelopathy
<1>犬の炎症性、腫瘍性、血管性硬膜内脊髄疾患の鑑別における磁気共鳴画像の評価
<2>過去に犬の変性性脊髄症と関連したSOD1対立遺伝子の品種分布
<3>ウェルシュ・コーギー・ペンブロークにおける家族性変性脊髄症の臨床的特徴
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・神経科セミナー2012/第19回 神経科セミナー Vol.04 非疼痛性脊髄疾患
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・犬の理学リハビリテーション Vol.9
・神経科セミナー 知って得する臨床神経病学 Vol.5
・VMN セミナー 2004 神経病学 ‥ 動画で神経障害を徹底検証 ‥ Vol.07 1.麻痺:脊髄疾患