※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
発多飲多尿とは?
多飲多尿(たいんたにょう)とは読んで字のごとく「たくさん水を飲んで、たくさんオシッコをする」ことです。英語では「Polyuria Polydipsia」(多尿多飲)」あるいはPU/PDと書きます。日本語だと、多飲多尿と逆が一般的です。多飲多尿で問題になるのが「多飲」なのか「多渇(たかつ)」なのかということです。たくさん水を飲んでしまうから、たくさんオシッコが出てしまっているのか、たくさんオシッコが出てしまうから、のどが渇いてたくさん水を飲むのかどちらかということです。犬や猫の場合、実際は多飲が先に起こることは極めて少ないと言われています。すなはち殆どはたくさんオシッコが出るので、喉が乾いて水をたくさん飲むということが多いということになります。
ちなみにオシッコの回数が増えるのは頻尿(ひんにょう)になるので、多尿とは違いますので注意してください。1回のオシッコの量が多いのが多尿です。
多飲は犬の場合1日体重1kgあたり100ml以上水を飲むなら、猫だと同じく体重1kgあたり50ml以上飲むならが一つの目安です。多尿は犬猫ともに1日に体重1kgあたり50ml以上のオシッコをする場合です。
多飲多尿の原因
多飲多尿の症状
多飲の症状は、今までなかったのに気がつくと飲水の容器が空になっている。いつも水を飲んでいるような気がするなどで気づかれることが多いように思います。多尿は、最近お漏らしや失禁をするようになった。以前よりオシッコをしている時間が長くなったなどです。
多飲多尿の診断/検査
まずは、問診、身体検査と尿検査を行います。他には血液検査、血液化学検査、ホルモン検検査も全身の状態を把握するために必要になるでしょう。その他原因によっては画像診断検査であるレントゲン検査、超音波検査が必要になり、時にはCT検査も必要になるかもしれませんし、場合によっては、細胞診検査、細菌培養検査が必要なこともあります。また確定診断のために特殊な検査を行うこともあります。
多飲多尿の治療
多飲多尿の予防
多飲多尿を予防することはなかなか難しいかもしれませんが、日頃から与える水の量を測っておくと早めに気づいて挙げられると思います。犬だと飲水の容器に1日量として体重✕100ml、猫だと体重✕50mlを日頃から入れておくといいでしょう。で、その容器の水がなくなるようなら動物病院を受診しましょう。また、定期的に尿検査をしていると多飲多尿を示す病気を早く見つけることができることがあります。
多飲多尿の看護/その他
多尿と頻尿(ひんにょう)とは違いますので、注意してください。多尿は一回に出すオシッコの量が多いこと、頻尿とはオシッコの回数が多いことです。多飲多尿が起こる病気は、一般的に治療に時間がかかることが多いものです。
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参考文献・資料等
- 小動物臨床指針;37-38
- 伴侶動物治療指針 Vol.1; 166-171:多飲多尿の鑑別診断
- 伴侶動物治療指針 Vol.1; 190-197:犬と猫の糖尿病の治療
- 伴侶動物治療指針 Vol.3; 206-212:犬と猫の糖尿病:新しいインスリン療法
- 伴侶動物治療指針 Vol.3; 226-235:糖尿病性ケトアシドーシスの治療
- 伴侶動物治療指針 Vol.10; 374-382:多尿と多渇を示す症例へのアプローチ
- 小動物臨床における診断推論.207-226
- 瀬戸口明日香先生の「明日から役立つ」シリーズ「症状や所見から鑑別診断リストを作成する」第3回 2.多飲多尿へのアプローチ
- 佐藤 雅彦先生のジェネラリストが知っておくべき内科疾患を総ざらい 内分泌疾患編 1. 多飲・多尿のアプローチ
<1>正常および異常な水分バランス:多飲多尿
<2>多飲・多渇を呈する若齢犬18頭における浸透圧刺激に対するバソプレッシンの反応