口臭:Halitosis

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

口臭とは?

 口臭(こうしゅう)とは、愛犬や愛猫の口から発生する不快な臭いで、急性または慢性の症状として現れることがあります。この臭いは、口腔内の問題に起因することが多いですが、全身性の疾患や消化器系、呼吸器系の問題が原因で発生することもあります。口腔内の原因としては、食べ物の残りや血液成分、唾液、そして剥離した口腔粘膜細胞などが、細菌によって分解される過程で揮発性硫黄化合物やその他の悪臭成分が生成されることが挙げられます。これにより、愛犬や愛猫の口臭が発生し、場合によっては全身状態にも影響を与えることがあります。

口臭の原因

 口臭の原因には、主に口腔内の問題が挙げられますが、全身性の疾患が関与している場合もあります。最も一般的な原因のひとつは歯周病であり、特に細菌が歯周組織の破壊的な炎症反応を引き起こします。このほか、口腔内の腫瘍や潰瘍性病変、異物の存在も口臭の原因となります。全身性の疾患が口臭に関与している場合、消化器疾患、呼吸器疾患、糖尿病[]、腎臓病[]、肝疾患などが原因となり得ます。

口臭の症状

 口臭の主な症状は、愛犬や愛猫の口からの明らかな不快な臭いです。この悪臭は、しばしば食事や飲み込みの際の困難、顎や口周りの腫れ、唇や口内の潰瘍、唇のたたみ部皮膚炎、口からの膿性または血液混じりの分泌物、口の中を触った際の痛みなどの症状と関連しています。特に、食事を拒否したり、飲み込みに苦労している様子が見られた場合、早急に当院にご相談ください。

口臭の診断/検査

 口臭の診断には、まず視診により口腔内の評価を行います。歯肉の状態や歯石の有無、歯周病の兆候を確認することが非常に重要です。必要に応じて鎮静や全身麻酔が必要になることがあります。また、歯周病の詳細な評価には、歯周プロービングと口腔内の歯科X線撮影が必要であり、獣医歯科学の専門家の診察が必要になることもあります。また、全身性疾患が疑われる場合には、全血球計算(CBC)血液化学検査、さらには頭部や胸部のX線(レントゲン)超音波検査、CTスキャンなどが行われることがあります。

▶口臭の治療・予防・看護法などは次のページへ

この記事を書いた人

福山達也