※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
膀胱結石症とは?
膀胱結石症の原因
●ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
最もよくみられる尿中の結晶のうちの一つです。尿がアルカリ(高pH)性に傾くと、尿中に出やすいです。特に尿の中に細菌がいると、尿がアルカリ性に傾くので、そのことが原因でストルバイト結石が出ることがあります。そのため、尿の細菌感染を制御することがストルバイト結晶の治療にも大切になります。幸い、ストルバイトは、治療により溶かすことのできる結晶です。
●シュウ酸カルシウム
尿が酸性に傾くと、尿中に結晶ができやすい結石です。シュウ酸カルシウムの結晶ができる仕組みはまだはっきりとはわかっていません。シュウ酸カルシウムは、療法食により溶かすことのできない結晶です。
●尿酸アンモニウム
尿酸アンモニウム結石は、犬において遺伝性に起こりやすい結石だとされています。特に、ダルメシアンやブルドッグがその代表です。但し、その他さまざまな犬種でも尿酸アンモニウムが尿中に出やすい遺伝子変異が報告されています。
●ケイ酸塩・シスチン
ケイ酸塩またはシスチンは稀な膀胱結石です。
膀胱結石症の症状
膀胱結石症の診断/検査
膀胱結石症の治療
一般に食餌療法食で溶かせる種類の結晶なので、療法食が食べられ、結石が巨大でなく、細菌がいなければ動物病院で処方される療法食による溶解治療を行い膀胱結石を溶かします。ストルバイト結晶は、療法食で尿のpHをアルカリから中性へと下げることで、溶けていきます。結石が大きいとかつまっている、溶けないなどの場合は、外科的手術により膀胱を切開し、結石を摘出します。
●シュウ酸カルシウム
結石がシュウ酸カルシウムであれば、食餌療法食により溶かすことはできません。必要であれば、外科手術などで結石の除去を行います。その後、水分の多い食事等に変更する、カルシウムを多く含んだ食物や食餌を避ける、シュウ酸カルシウムができにくい尿環境にする食餌療法食を継続的に与えることなどを行います。
また、定期的な尿検査や超音波検査などを継続し、結石の形成がないかを確認します。
●尿酸アンモニウム
尿酸アンモニウムに関しては、肝不全や門脈シャントが原因の場合は、その治療を行います。治療が難しい肝不全や遺伝が原因の場合は、再発性が高い結石です。状態にもよりますが、食餌療法食やアロプリノールという薬の投与などでコントロールしていきます。
●ケイ酸塩・シスチン
ケイ酸塩、シスチン尿に関しても、必要であれば外科手術で結石を摘出します。シスチンは尿がアルカリになると溶けやすいので、食餌療法食を先に行うこともあります。
これらの結石も他の結晶と同様に水をよく飲ませることと定期的な尿検査や超音波検査、結石防止の食餌療法食を継続ます。
膀胱結石症の予防
膀胱結石症の看護/その他
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参考文献・資料等
<1>チンチラにおける尿石症: 15症例(2007年~2011年)
<2>健康な猫の水分摂取および尿濃度に対する給水器の影響
<3>ネコにおける下部尿路疾患に対する危険因子の疫学調査
<4>尿石症に罹患した犬における尿路感染を診断するための3つの方法の比較
<5>ネコのストラバイト膀胱結石を溶解する市販食の効果に関する評価
<6>犬におけるシュウ酸カルシウム結石: 外科的治療と予防方法
<7>猫の尿道栓子と膀胱結石: 1998-2003年に提出された5,484件の再調査
<8>シュウ酸カルシウム結石を形成する傾向のある犬の検出手段としての危険因子分析および相対的過飽和状態
<9>猫の難治性特発性下部尿路疾患
<10>猫の再発性特発性膀胱炎に対する可能性ある治療法
<11>縫合糸関連性の膀胱結石が疑われた犬のX線画像上の特徴
<12>犬における膀胱結石除去のための費用と時間に関して、腹腔鏡補助下膀胱切開術と開腹による膀胱切開術とを比較した評価研究:43例(2009-2012)
<13>尿石症の治療のための膀胱切開術後の犬の膀胱の超音波検査による評価
<14>猫の尿石症と慢性腎臓病との関連性についての評価
<15>犬の2,8ジヒドロキシアデニン尿石症
<16>膀胱切開術を受けた犬における抗生物質の術前投与の培養結果への影響
<17>開腹または腹腔鏡下膀胱切開により膀胱結石の治療を行った犬の周術期の特徴の比較:89症例(2011年から2015年まで)
<18>猫における尿酸塩結石に関する危険因子
<19>犬猫の膀胱および尿道結石を摘出するための経皮経膀胱的膀胱結石摘出術:27例(2006-2008年)
<20>尿石症の低侵襲治療の新しい代替法:下部尿路結石症
<21>膀胱結石および尿道結石の犬28頭に対する電気水圧衝撃波砕石術
<22>エビデンスには何がありますか? 手術の代替として猫のストラバイト性尿路結石を治療するための療法食
<23>犬の下部尿路から尿路結石を除去するための膀胱切開術後における、不完全な尿路結石除去、合併症および診断的画像検査の頻度:128例(1994-2006)
<24>ホルミウム:犬の尿石症に対するYAGレーザー砕石術
<25>尿結石摘出法
<26>尿路結石症を発症した犬の管理に対するレーザー砕石術と膀胱切開術との比較
<27>犬の膀胱結石および尿道結石の除去のための粉砕術におけるレーザー砕石術の有効性と安全性
<28>犬の膀胱及び尿道の欠損部を修復するために使用した腹直筋フラップ
<29>尿結石の内視鏡的摘出
<30>犬猫における縫合糸由来膀胱結石に関連した危険因子の評価:176例(1999-2006)
<31>犬の尿結石の粉砕に対するレーザー砕石術の使用:73例(2005-2006)
<32>猫の尿路結石の構成成分における傾向の評価:5,230例(1985-2004)
<33>小動物のカラードップラー超音波検査におけるTwinkling artifact について
<34>あなたの診断は何ですか?
<35>あなたの診断は何ですか?
<36>レーザー砕石術による犬の尿石症の治療
<37>17頭の犬に発生したポリープ様膀胱炎(1978-2001)
<38>腹腔鏡を併用し膀胱鏡を利用した犬の尿道結石除去手術
[WR2104,VQ2104:膀胱結石]
■VMN Live
・膀胱切開による尿石摘出術
・膀胱結石より門脈シャントを疑った症例に対する門脈シャント整復術
・膀胱結石摘出術および避妊手術
・膀胱鏡+膀胱結石摘出術
・1.『左膝蓋骨脱臼整復手術』 2.『悪性脂肪肉腫減容積手術』 3.『膀胱結石摘出手術』 4.『脾臓摘出手術』