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犬の病気
潜在精巣(陰睾)
精巣は、オス(雄)の陰嚢内にある精子を作る機能を持つ生殖器官で、個体差はありますが、生後数ヶ月でお腹から陰嚢内に下降します。潜在精巣(せんざいせいそう)とは停留精巣(ていりゅうせいそう)とか陰嚢(いんのう)とも呼ばれ、精巣の片側あるいは両方が適切な時期に陰嚢へ降下せず、お腹に留まってしまう病気です。潜在精巣の発生率は統計によりばらつきがありますが、0.8%〜11%未満程度、潜在精巣の腫瘍発生率は10〜15%とされています。 片側の潜在精巣(特に右側での発生が多い)は両側の潜在精巣よりも多くみられ、きちんと陰嚢に降下しない精巣は中年期以降に精巣腫瘍(セルトリ細胞腫、セミノーマ)になる可能性が高いことが知られていて、正常な精巣と比較すると腫瘍になる確率は13〜23倍程度というデータもあります。 -
犬の病気
巨大食道症
食道とは、口から胃まで食物を運ぶ器官です。この食道が何らかの原因で拡張することを、食道拡張(しょくどうかくちょう)とか巨大食道症(きょだいしょくどうしょう)と言います。主に犬に多く、猫で見られることは比較的少ないとされています。 -
犬の病気
横隔膜ヘルニア
ヘルニアとは、もともと穴のあいていないところが裂け、その穴から別の臓器や組織ががはみ出す病気です。場所などによりいくつかの種類があり、横隔膜(おうかくまく)ヘルニアとは、横隔膜(胸部と腹部を隔てている筋肉の膜)が先天的(生まれつき)あるいは交通事故(特にネコに多い)や落下など後天的な原因で破れ、腹部の臓器が裂けた横隔膜の穴から胸の内部に入りこんでしまう状態をいいます。裂けた穴の大きさや入り込む臓器などによって呼吸器症状や消化器症状を呈します。 -
犬の病気
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
犬の副腎皮質機能亢進症は、人(1/10万人程度)や猫では稀なのに比べて発生率が高く(500頭に1頭)、犬で最も重要な内分泌疾患のひとつです。「クッシング症候群」と呼ばれることもあります。特に中高齢の5〜15歳で、発症することが多く、まれに先天性にも見られます。また、雌(メス)に多いと言われ、プードル、ダックスフンド、シュナウザー、ボストンテリア、ボクサー、ビーグルに多く見られると報告されています。 副腎は、左右の腎臓の近くにあり、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌する内分泌器官です。このコルチゾールは、糖代謝や脂質代謝、タンパク質代謝、体の免疫系やストレスに対する作用などさまざまな働きを担っています。副腎皮質機能亢進症は、この副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることにより起こる病気で、さまざまな症状が引き起こされます。 -
犬の病気
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは? 腎臓は血液から老廃物・余分な水分を取り除き(ろ過)、それを尿として排泄する大 […] -
犬の病気
食物アレルギー:Food Allergy
食物アレルギー(しょくもつあれるぎー)とは、ホームメードの食餌や市販のペットフード、おやつなどに含まれる種々の物質に対するアレルギー反応により皮膚の痒みや下痢がおこる病気です。ある調査では約40%の犬が食物アレルギーを持っている可能性がある報告されています。食餌性アレルギー、食物有害反応などとも言われます。 犬では、どんな犬種でも発症する可能性がありますが、報告では、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ラブラドール・レトリバーに多いとされていて、特に1歳未満、6歳異常に多く見られるとされています。 -
犬の病気
僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)
僧帽弁閉鎖不全(そうぼうべんへいさふぜん)は別名、僧帽弁逆流(MR:そうぼうべんぎゃくりゅう)、心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)などと呼ばれることもありますが、最近は粘液腫性僧帽弁疾患:MMVDと呼ばれています。中齢〜老齢の小型犬での発症が多い心臓の病気で、10歳以上の小型犬の30%以上が、16歳になると75%がこの病気を持つていると言われています。また、犬の心疾患のうち80%程度が僧帽弁閉鎖不全症といわれているほど多い病気です。メスに比べオスのほうが1.5倍多く罹患し、進行速度が早く、重症度が高いといわれています。 -
犬の病気
SFTS:重症熱性血小板減少症候群
SFTS:重症熱性血小板減少症候群とは2011年に中国の研究者らによって発表された新しいウイルスによるダニにより媒介される感染症です。2013年1月に国内で海外渡航歴のない人がSFTSに感染していたことが初めて報告されました。このウイルスは保有するダニに咬まれることにより人に感染します。また、犬や猫も同様にウイルスを持つダニ(フタトゲチマダニなど)に咬まれることで感染し、それらの動物と濃厚に接触(血液た唾液など)することで人が感染します。感染した人と濃厚に接触すると、人から人へも感染すると言われています。犬から感染したとされる症例[3]や、2016年に猫から感染したと思われる人の死亡症例も報告されています。また特に猫において西日本での感染が多く報告されていきています。 -
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ノミアレルギー性皮膚炎
ノミアレルギー性皮膚炎(のみあれるぎーせいひふえん)は、ノミの唾液成分に対するアレルギーによって、皮膚のかゆみや炎症などの症状が現れる病気です。好発性犬種や性差(オス、メスによる違い)はなく、ノミのみられる地域の犬では非常に多くみられる皮膚病です。動物病院で処方されるような薬剤によるきちんとしたノミ予防をしていなければ、夏場の皮膚病(痒み)の8割に関与しているという報告があるほどです。ただ、最近は暖房設備の普及によって、春〜秋だけでなく、冬にもノミの発生がみられるため、季節を問わず注意が必要です。 特にアトピーの犬はノミに対してもアレルギーを持つことが多いと言われています。 -
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気管支炎
気管(きかん)とは、動物の喉から肺に通じる、呼吸の際に空気が流れる管のことです。その気管から肺にはいる、木の枝のように分かれた部分は気管支(きかんし)と呼ばれ、気管よりもさらに細い管で、肺のガス交換を行う組織である肺胞に開口しています。気管支炎はこの気管支部分に炎症が起こる病気です。特に子犬や子猫に多く、鼻炎や咽頭炎に併発することも多く、発咳などの症状が見られます。ウィルス感染が原因であることが多く、特に空気の乾燥した冬場に流行が見られます。 -
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水頭症
脳の周りは、頭蓋骨との間に脳脊髄液と呼ばれる体液があり、クッションのような役割をして脳を守っています。水頭症(すいとうしょう)とは、この髄液が頭蓋内に過剰にたまり、脳が圧迫されて様々な症状が出る病気です。 マルチーズ、ヨークシャー・テリア、イングリッシュ・ブルドッグ、チワワ、ラサアプソ、ポメラニアン、トイ・プードル、ケアーン・テリア、ボストン・テリア、パグ、ペキニーズなど、一般にトイ種やミニチュア種、短頭種はリスクが高いと言われています。猫では稀な病気ですが、シャム猫に多く発症すると言われています。 -
犬の病気
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、犬の後肢にある膝蓋骨(しつがいこつ:膝関節にあるお皿のような骨)が正常な位置から内側(小型犬に多い)、または外側(大型犬に見られる)に外れてしまう(脱臼)状態をいいます。膝蓋骨のことを英語でpatella(パテラ)ということから、動物病院ではよく膝蓋骨脱臼を「パテラ」と呼びます。猫の膝蓋骨脱臼は稀で、犬ほど多くありません。 この病気はどの犬種にも見られますが、45%は小型犬で、トイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、チワワ、マルチーズなどに多く見られます。85%は先天性で生まれつきです。90%は内側側に脱臼し、65%は両側に膝蓋骨脱臼が見られます。