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SFTS:重症熱性血小板減少症候群とは?
SFTS:重症熱性血小板減少症候群とは2011年に中国の研究者らによって発表された新しいウイルスによるダニにより媒介される感染症です。2013年1月に国内で海外渡航歴のない人がSFTSに感染していたことが初めて報告されました。このウイルスは保有するダニに咬まれることにより人に感染します。また、犬や猫も同様にウイルスを持つダニ(フタトゲチマダニなど)に咬まれることで感染し、それらの動物と濃厚に接触(血液た唾液など)することで人が感染します。感染した人と濃厚に接触すると、人から人へも感染すると言われています。犬から感染したとされる症例[3]や、2016年に猫から感染したと思われる人の死亡症例も報告されています。また特に猫において西日本での感染が多く報告されていきています。
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の原因
原因はSFTSウイルスの感染です。一般にダニ(フタトゲチマダニなど)により媒介されます。このウイルス自体は酸や熱に弱く、消毒用アルコール(70%)、次亜塩素酸ナトリウム液(0.5%)などの一般的な消毒剤で消毒が可能です。
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の症状
犬では無症状(不顕性感染)のことが多いとされています。猫では、元気がない、食欲不振、発熱、嘔吐・下痢などの消化器症状、黄疸などが見られますが、この病気に特徴的な症状というわけではありません。急性疾患で、発症から数日以内に重症化して、死亡する確率も高い(致死率は約6割)怖い病気です。
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の診断/検査
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の治療
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の予防
○犬のノミ・ダニ予防
○猫のノミ・ダニ予防
SFTS:重症熱性血小板減少症候群の看護/その他
2019年の報告では猫の致死率は60%と報告されています。犬は報告数が少ないのですが、それでも猫同様にかなりの致死率だと予想されています。
○人の症状など
5日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くで認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。
検査では、白血球減少、血小板減少、AST・ALT・LDHの上昇が多く認められる。致死率は6.3〜30%と報告されている。感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)が中心だが、血液等の体液との接触により人から人への感染も報告されている。治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。
以前からSFTSウイルスは日本に存在していたようで、診断できるようになったのが最近であるとの考えが主流となっています。
※なお、当院では長崎県内各所で多数のSFTSの猫感染が発見されていること、宮崎県において獣医師、獣医看護師が診察中にSFTSに感染した事例[4] や広島県の事例などから、スタッフの感染防止のため、診察時必要に応じてマスク、グローブ、ゴーグルなどを着用させて頂く場合がありますのでご了承ください。
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参考文献・資料等
- イヌとネコは致死性SFTSウイルスを媒介する
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
- イヌからヒトへ感染したSFTS症例について
- 獣医師と動物看護師がネコからSFTSに感染!
- マダニ媒介性ウイルス感染症SFTS、感染の標的細胞を同定-感染研
- Felis 別刷 SFTSの脅威と感染リスク
- 動物のSFTS 臨床像と対応について
- 伴侶動物治療指針 Vol.5; 62-71:マダニ伝搬性疾病とマダニ防御
- 伴侶動物治療指針 Vol.9; 38-47:マダニの生態と防除
- 伴侶動物治療指針 Vol.9; 48-58:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の最新知見
- SFTS発症動物について(ネコ, イヌを中心に)
- 犬の内科診療 Part2; 274-278:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)