掻痒/瘙痒(痒み)

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

掻痒/瘙痒(痒み)とは?

 掻痒/瘙痒(そうよう)とは痒み(かゆみ)のことです。「痒み」は動物病院を受診する最も多い理由の一つです。年齢や種類などに関係なく起こります。
 痒みは様々な原因により起こり、ストレスがかかりますので早めに対処してあげましょう。

掻痒/瘙痒(痒み)の原因

犬猫掻痒鑑別診断リスト
犬猫掻痒鑑別診断リスト

掻痒/瘙痒には多くの原因があります。もちろん例外はあるものの、大きく分けて皮膚感染症、寄生虫、アレルギーの3つに分けられるとされています。
 皮膚感染症の主な原因は細菌(ブドウ球菌などによる膿皮症)、酵母(マラセチア)、真菌の感染です。
 寄生虫では毛包虫(アカラス)、ヒゼンダニ(犬疥癬症・猫小穿孔ヒゼンダニ症)などが主な原因です。
 アレルギーの場合アレルギーに伴う炎症反応が痒みをもたらします。特にアトピー性皮膚炎ノミアレルギー食餌性アレルギーが主な原因です。
 その他としては、免疫介在性疾患、ある種の腫瘍、心因性、異物、局所の不快感や違和感によっても痒みは起こることがあります。

掻痒/瘙痒(痒み)の症状

 痒みは不快なため、舐める、引っ掻くなどの症状を示します。
 
 痒みによる不快感はストレスになるため、いらいらして攻撃的なったりすることもあります。

掻痒/瘙痒(痒み)の診断/検査

 一般に病歴の聴取、身体検査に始まり、疑う原因により追加検査は様々なです。まず行われるのは皮膚細胞診検査、ウッド灯検査などで、細菌培養検査、ホルモン検査アレルギー検査、除去食試験、皮膚病理組織検査なども必要になることがります。

掻痒/瘙痒(痒み)の治療

 痒みをとりあえず止めるという対症療法としては「痒み止め(ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤など)」を投与します。また炎症を抑えるために必須脂肪酸などが加えられることもあります。但し、これらでは当然原因は改善されませんし、かゆみ止めをやめれば痒みが再発することがほとんどです。根本的な治療は原因により様々になります。
 細菌が原因であれば抗生物質、酵母や真菌であれば抗真菌剤を用います。寄生虫であれば各種駆除剤、アレルギーであれば抗アレルギー剤の投与や食餌療法が行われます。
 また、薬用シャンプーを併用することはかゆみの改善に大変効果的です。当院ではペット美容室も併設しております。ペット美容室併設の動物病院は皮膚病の治療や管理に非常に効果を発揮するkとおを知ってください。

掻痒/瘙痒(痒み)の予防

 ノミ・ダニなどは日頃から動物病院で処方されるきちんとしたノミ・ダニ駆除剤を用いて予防[]しましょう。
 定期的なブラッシングやシャンプーは皮膚を清潔に保つために重要です。定期的にペット美容室でプロのトリマーさんに洗ってもらうことは皮膚病の予防や早期発見に大変効果的です。
 皮膚を作る上で食餌は非常に重要です。皮膚は食べ物からできているといっても過言ではありません。日頃からきちんとしたペットフードを与えるようにしましょう。

掻痒/瘙痒(痒み)の看護/その他

 夏場の「痒み」の多くはノミによるアレルギー(ノミアレルギー)だとの報告があります。夏場に痒みが見られた場合で、日頃から動物病院で処方されるようなきちんとしたノミ予防駆除剤を使用していなければ、まず、それを使ってみるのが統計的には痒みを抑える一番の近道です。それでも駄目なら診察を受けるといいでしょう。
 痒みがひどく、引っ掻き傷ができるほどひどければエリザベスカラー洋服を着せることも考慮すべきです。
 アレルギーが原因の場合は「家庭でできるアレルギー対策」も参照してください。

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参考文献・資料等
  1. Diagnostic Approach to the Pruritic Dog

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この記事を書いた人

福山達也